渡り鳥ハチクマは翼を大きく広げ、市民の森油山を飛び立って大陸を目指します。
郷土学を学ぶ学園の子どもたちも油山を登ってその行方を追い、福岡市街の先に広がり大陸につながる玄界灘を眼下に収めます。
シュタイナー教育の目標は人間形成にあります。温かい心をもち、自らの力で考え、判断し、実行する、真に人間らしい充実した生き方ができる力を育成します。
初中等部の年齢に 相当する7歳から14-5歳までの人間の発達過程の中で、すべての人間に同じ法則が美しく・正しく・よく働いて、将来自分に対して自分で責任を負えるような判断力を身に付けられるよう、精神の自由・法の下の平等・経済の友愛のもとに、子どもの教育に取り組んでいきます。
福岡は古来肥沃な土壌をもち、大陸との交流を盛んに行ってきました。
「土地博く、人・物産多し」の語源をもつ博多は、中世には商人たちによる合議制で治められた日本で初めての自治都市であり、江戸時代に入っては政治の中心である福岡と商業の中心である博多という二つの中心をもち、互いを尊重し合う都市として、現在も発展成長し続けています。
そのような開かれた精神風土が息づく福岡において、学園の精神基盤であるアントロポゾフィー(人智学)運動が30年以上に渡って行われてきました。その間人智学という種が、芽を出し根を張り、葉を広げ花を咲かせていくように、大人の学びや芸術体験、幼児教育、子どもの芸術教室や土曜教室などの取り組みが今日まで継続してなされています。
その豊かな土壌の中からひとつの結実として2009年4月、福岡シュタイナー学園は初中等部9年一貫教育の全日制フリースクールとして誕生しました。そして2018年3月、初めての卒業生を送り出し、6月にはその社会的責任に鑑みNPO法人福岡シュタイナー学園の体制を整えました。
教育目標
シュタイナーの提唱した教育理念、人間観、世界観に基づいた教育を実践します。
どのような時代にあっても子どもの人生全体を通して支え、自らの個性を生かし、また他者と協働し合う社会を創造し、世界の様々な営みに対して心を寄せ貢献していこうとする諸力を子どもの内に育むために、私たちは哲学者・教育実践者であるR.シュタイナーの世界観・人間観に基づく教育活動をこの福岡で実践し深めていきたいと考えています。