幼稚園までの子ども、だいたい6歳までの子どもは、とにかくからだをつくっている時期です。からだをつくるのに必要なのは、栄養ももちろんですが、とにかく体を動かすこと。
自分の意志から、しかし調和のとれた動きに環境や周囲の大人が導くこと。だんだんに指先まで細かな動きができるようになりますね。そして感覚。触覚や自然の繊細な音を聴くこと、自然の色を見ること、周囲の大人をまるごと感じてもいます。
また毎日の健康な生活リズム。それらが子どものからだを育てます。幼児教育は、まさにそれを主体にして行われていると言えます。
そうしてからだが十分に育った時、人間のからだで最も硬い部分が生まれるのです。それが、永久歯です。永久歯は、エナメル質という最も硬い部分を持ち、二度と再生することはありません。この再生しない完成した部分(つまり命に満ちあふれたというより、死に近い部分と言えます)がからだから押し出されると、そこで働いていたからだをつくる力、成長の力は必要無くなります。その力が、からだから自由になって、実は心の思考する力になるのです。
永久歯が生える前から、子どもは少しずつ考えることができます。3歳頃から。そのころから少しずつ、からだを成長させる力が自由になっていくのです。しかし、この7歳前後に多くの成長するための力が思考の力に変わります。そこで、子どもたちは学校で知的なことを少しずつ学ぶ準備ができたと言えるのです。